『もののけ姫』に出てくるこだまについて考察していきます。こだまって一体何者?トトロに進化するって本当?そんな疑問が解消すると思います。最後まで読んで頂けると嬉しいです。
スタジオジブリの作品では不思議でちょっと不気味なキャラクターがよく登場します。『千と千尋の神隠し』に出てくるカオナシなどもそうですね。
『もののけ姫』にもタタリ神やシシ神など、不思議なキャラクターが多数出てきますね。
もののけ姫、結構面白いね。
— そーざき (@sozaki__0131) August 18, 2016
※スマホの画面から約1メートル離れて見てます。なぜか色々トラウマです。
タタリ神とかシシ神とか…
あ、でもサンはかわいい pic.twitter.com/8tS4bBFTrc
その不思議な生きものたちの中で、特に印象的な姿をしているのが「こだま」ではないでしょうか。
出典: Studio Ghibli
「こだま」は見た目はコミカルで可愛らしくもありますが、どこか不気味な印象も与えます。森の中にただ存在しているだけですが、何か特別なメッセージを送っているようにも見える謎の存在です。
『もののけ姫』の映画の中で「こだま」の存在について語られるシーンはありません。では「こだま」とはいったい何者なのでしょうか?
そんな謎に包まれたキャラクター「こだま」について考察したいと思います。
目次
もののけ姫にでてくる白くて丸い「こだま」の正体は?
『もののけ姫』に登場する「こだま」は、見た目は小さく、全身が真っ白で顔型に穴があいています。自然豊かな森に住み、自由な存在で人間や動物達などどこにも属していません。
出典: Studio Ghibli
「こだま」は、平仮名やカタカナで表記されていることが多いのですが、漢字で表記すると「木霊」。正体は「こだま」の文字通り、木に宿っている「精霊」なのです。
『もののけ姫』の舞台は中世、室町時代の中期頃ではないかと思われます。(雑誌「もののけ姫」を読み解くより)
日本では古くから人々は樹木のような自然界に存在するものには、神的な力が宿っているという信仰がありました。実際に、古くから生えている樹木には「木霊」という名前の精霊が宿っており、その樹木を守っているという言い伝えもあります。
人間に敵意を持っているわけではなく、ただ静かに森に暮らす精霊という設定です。日本では古くから「木霊(こだま)」という精霊の存在が信じられ、やまびこも彼らの仕業なのだと言われています。☞続く #コダマをよぼう #コダマ pic.twitter.com/MIa6nYEUKq
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 5, 2016
「こだま」の性格はおとなしくて温厚、好奇心旺盛です。人間の前に現れますが、危害を加えることは一切ありません。アシタカも「好きにさせておけば悪さはしない。森が豊かなしるしだ」と話しています。
共に生きよう!
— つかっち (@zunkun1978) April 12, 2020
アシタカが最後に言う言葉です。
共生、、、共に助け合い、生きる。
森と人、これからの未来。
こだま が宿る森づくりを目指したい❗️ pic.twitter.com/gGMEGsnI3s
このアシタカのセリフから、「こだま」は豊かな森にしか住んでいないと考えられます。悪さはしないので、特に人間たちと戦ったり敵対したりもしていない、自然そのもののような存在だと思われます。
もののけ姫の「こだま」のおんぶ姿やおしりかが可愛い!との口コミ
#ジブラーさんと繋がりたい#もののけ姫
— さっきー@蜜柑 (@sun_nausicaa) March 29, 2017
今日のジブリ好きな画像
もののけ姫です。
些細なシーンですが同じこだまがおんぶしているのに、勇気(力)付けられて怪我している人を必死におんぶして助けているアシタカに、ぐっと来ますね pic.twitter.com/pc4PuJokhJ
こだまがこだまをおんぶしている姿は、アシタカが怪我をしている人をおんぶしているシーンで出てきます。 こだまがおんぶしている姿を見てアシタカは勇気づけられたとも言われています。
もののけ姫見よって思ったんやけど、こだまのおしりめちゃくちゃ可愛くない!?笑
— 使ってません。 (@akmc_growth) December 4, 2016
プリケツすぎやろ笑
ぱふぱふもふもふしたいわ爆笑 pic.twitter.com/fBk2oud5cg
ネット上ではこだまのおしりが可愛い、プリケツ!との口コミも多数あります。みんな面白いところに焦点を当てて見ているんですね!
こだまのおんぶやおしりが可愛い、なんていう見方もあるのですね。今回この記事ではこだまはちょっと不思議で不気味な存在としての考察をしていますので意外な一面もあるのだとホッとしてしまいます。
もののけ姫の「こだま」がトトロに進化したって本当?
「こだま」に関する興味深い話が、実はこだまは成長すると『となりのトトロ』に登場するトトロになるという噂。
『もののけ姫』の物語のラストで、「こだま」が1匹だけ現れるシーンがありますが、実はこの「こだま」が後の“トトロ”になるというのです。
トトロは巨大なクスノキに住む森の主。『となりのトトロ』では、大・中・小といった3匹のトトロが登場します。
こだま→小トトロ→中トトロ→トトロ
— 常磐鐘也 (@ir0hanihoheto) August 21, 2018
になるらしい
因みにトトロの正式名称は大トトロがミミンズク(1302歳)、中トトロがズク(679歳)、小トトロがミン(109歳) pic.twitter.com/u6EymzzTCk
「こだま」は白い姿をした木の精霊で白から透明な姿にもなることができます。不思議な生き物で森に住んでいる、「こだま」と小トトロは同じ白くて半透明な姿をしているなどの共通点から、「こだま」=トトロ説が噂されているようです。
トトロの正式名称と年齢は次の通りです。大トトロがミミンズク(1302歳)、中トトロがズク(679歳)、小トトロがミン(109歳)です。もののけ姫の舞台とされる室町時代は現代から600年〜700年前。こだまが小トトロになったというのも納得できる話ではないでしょうか。
しかしこの話は噂ではないようで、実際に宮崎駿監督自身も『もののけ姫』のラストに登場した「こだま」が、後々トトロに進化したと公認しているとのこと。
https://twitter.com/souryuu_a1204/status/1055827330130632704?s=21
宮崎駿監督のインタビューによると…
これはもう二木さんたっての希望で、チビで一匹で良いから、コダマがのこのこ歩いてるやつ入れてくれって。それが、トトロに変化したって(笑)。耳が生えていたってことにすれば、そうすると首尾一貫するんです。なんだか、わけわかんないけど(笑)
「もののけ姫」はこうして生まれた。
『もののけ姫』の制作現場を追ったドキュメンタリー、『「もののけ姫」はこうして生まれた。』で放送され、有名になった話のようです。
二木さんとはジブリで活躍したアニメーターの故・二木真希子さん。
シシ神の足元で生えては枯れる草花、このシーンの原画を担当したのは5月に亡くなった二木真希子さん。ここは色彩設計のきめ細かさも凄い。#もののけ姫 #金曜ロードショー pic.twitter.com/9ONa6d7SCb
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) August 5, 2016
『もののけ姫』は、荒廃しきった森に新芽が芽吹き、その中に一匹だけ「こだま」がいるというシーンで物語が終わります。
本編のラストカットではコダマが1匹登場します。これは二木真希子さんの希望で入れられたもので、宮崎駿監督いわく、このコダマが後にトトロに進化したらしいです。#もののけ姫 pic.twitter.com/KLUxv8emVZ
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) October 26, 2018
「こだま」が大量に死んでしまうシーンは、森が破壊されてしまったことの暗喩でした。しかし新たに「こだま」がいるということは、ここから森が長い年月をかけて再生していくということを表していると考えられます。「こだま」が森の健康状態や生死を表すバロメーターだったのです。
https://twitter.com/tink0712/status/1615672721060528128?s=20&t=Twnyvu43S25XLtrQY7zigw
やはり「こだま」とトトロは近しい存在なのでしょう。昔から森に住んでいる謎の生物という共通点は「こだま」とトトロの間にあるようですね。
鹿児島県の屋久島で「こだま」を見ることができるらしい
屋久島といえば、そこにしかいない希少な動物や天然記念物に指定されている鳥など多数おり、野生動物と神秘的な縄文杉の森が有名ですね。こだまもいそうな雰囲気ですよね!
シシ神の森、『もののけ姫』の舞台の一つといわれている屋久島には、『木霊の森』と呼ばれるスポットがあるそうです。
#93『屋久島』
— Tomo (@sMr0OZAfiiMCK0r) June 27, 2020
1993年に世界遺産に登録され、縄文杉が有名。
緑がきれいで美しい、豊かな自然
白谷雲水峡もあり癒しのスポット
宮崎駿監督が手掛けた映画『もののけ姫』(1997年)の舞台としても使われていたそうです。#屋久島 #縄文杉 #もののけ姫 pic.twitter.com/s9CYHiPaq9
それが『白谷雲水峡』という屋久島の代表的な観光スポットの一つです。写真を撮ると「こだま」が映ることもあるらしいという都市伝説があります。
もののけ姫のモデル場所になった屋久島で撮影するとこれがいっぱい映る。宮崎駿はそれを体験してもののけ姫でこだまってキャラを作ったらしい。ついでに、神樹←これでこだまって読むんです。 pic.twitter.com/YfoIggoIDF
— kent (@samurai0726) July 3, 2013
「こだま」はトトロのように子どもにしか見えないものでもなさそうですね。
屋久島からそう遠くない沖縄にも「キジムナー」という木の精霊がいます。「キジムナー」は、ガジュマルの木で暮らす精霊です。
赤髪で子供くらいの背丈のキジムナーはやんちゃで人間と仲良くしたいと思っているそうなんです。
そう考えると「こだま」も人間と仲良くなりたい、自然と人間の仲を取り持ちたい、と思っているかもしれませんね。
もののけ姫の「こだま」にモデルはいるのか
「こだま」の姿はなにかをモデルにしたわけではなく、デザイナーが独自に考えたものだそうです。
先に述べたように、シシ神の森のモデルとなった森で写真を撮ると「なにか」が写るとも言われています。
https://twitter.com/takeru_mon/status/1022429493372178432?s=21
こだまをは「森に何かがいるのが見えるスタッフによるもの」と宮崎駿監督が発言されています。そのデザイナーには、森にこだまたちがいるように見えたのかもしれません…神秘的ですね。
もののけ姫…宮崎駿さんの作品大好き(*'▽'*)本物のこだま! pic.twitter.com/VHK2c9Soxq
— 枝莉子 (@ejiejienta) July 4, 2014
宮崎駿監督は木々に宿る生命の重みをわかりやすくするために、「こだま」というキャラクターを登場させたのだそうです。『もののけ姫』の中でも「こだま」は、言葉を発しなくても存在感がありました。
もののけ姫のこだまが首を振るのはなぜ?
「こだま」はそのコミカルな動きが可愛らしく癒されます。
もののけ姫の作中、いくつかのシーンで「こだま」がカラカラという音を立てて首を振っています。これはなぜなのでしょう?なにか特別な意味があるのでしょうか。
https://twitter.com/3cinnammonsugar/status/1253466496451444742?s=21
あの独特の首のひねりと音は…
- こだま同士で会話をしながらコミュニケーションをとっている
- 植物と同じように酸素を取り入れるため、呼吸をしている
このような説が出ていますが、実際のところはわからないままです。独自の動きで何かメッセージを発しているようにも感じますね。
アシタカが助けた甲六(こうろく)という男性はこだまのカタカタという音に怯えていました。
そのカタカタという音によって「デイダラボッチ」を呼び寄せるというのです。デイダラボッチとは、シシ神の夜の姿なのです。
シシ神からデイダラボッチに変わる際には首が伸びて巨大化します。山をも超える巨大な体になったデイダラボッチが歩き回る姿はとても恐ろしいもの。そのデイダラボッチを呼び寄せる「こだま」のカタカタという音に甲六が怯えるのも無理はありませんね。
もののけ姫に出てくるこだまの正体とトトロのまとめ
「こだま」の正体は木の精霊。後にトトロに進化する話は都市伝説ではなく、宮崎駿監督の発言によるものだったのです。
可愛らしい姿をした「こだま」というキャラクターにも、宮崎駿監督の強い思いが込められているのだと改めて感じました。
あの最後の「こだま」が1匹で森を作り、そして命が繋がっていき、仲間を増やしていったと考えると非常に感慨深いですね。
『もののけ姫』と『となりのトトロ』には深い繋がりがあったと知ると、両作品をもう一度見返してみよう!と思いました。また違った視点から楽しめますよね。
TSUTAYA DISCASでお家にいながらジブリ作品DVDを借りることができます。
コメントを残す