猫の恩返し|猫や名前から他のジブリ作品との共通点が見えてきた


スタジオジブリ作品の中でも親しみやすく、明るく軽快なテンポで話が展開していく『猫の恩返し』。

この記事では“猫や猫の名前”に注目していこうと思います。

まずは『猫の恩返し』のご紹介。スタジオジブリ制作・宮崎駿監督が企画、森田宏幸監督による2002年公開の映画で、「今を生きることの素晴らしさ、大切さ」がテーマ。第6回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第20回ゴールデングロス賞最優秀金賞を受賞しています。

『猫の恩返し』は、『耳をすませば』で小説家を目指していた月島雫が書いた物語という位置づけのスピンオフ作品。原作は柊あおいさんの『バロン 猫の男爵』。

宮崎駿監督が『耳をすませば』に登場したバロンやムタを登場させたコミックの制作を、柊あおいさんに依頼して描かれた作品なのです。

そのことからこの2作品には気になる共通点が!似たような猫が出ている…とお気づきの方も多いのでは?

『猫の恩返し』では『耳をすませば』に出てくる“猫や名前”が使われているのです。どちらの作品にも登場しているのは、『猫の恩返し』のメインキャラクターである「バロン」と「ムタ」という猫です。

猫の恩返しのあらすじ

主人公の吉岡ハルは、猫の言葉がなぜかわかる不思議な女子高生。ある日、車にひかれそうになっていた猫を助けます。その猫はハルにお礼を伝え、その場を立ち去ります。彼は猫の国の王子・ルーンだったのです。

恋猫であるユキが昔好きだったというお魚型のクッキーを探すため、人間界に来ていたところ車にひかれそうになってしまったのです。

ユキはハルが幼い頃に出会った白猫で、今は猫王のお城で給士をしています。かつてハルに食べさせてもらったことから、人間界で売っている魚の形をしたクッキーが大好きに。

翌日、猫の国から王子の命を救ったお礼の品がハルの元へ。戸惑うハルのところに猫王の側近であるナトルが現れ、猫の国でルーン王子の妃に迎えると告げられます。軽く「猫の暮らしもいいかも」と言ったことを承諾したと取られてしまい、ルーン王子の妃候補になってしまいます。

猫の国に連れて行かれるとおびえるハルに、「猫の事務所を探して」という不思議な声が聞こえてきます。事務所を探していると、商店街に住み着いている猫の“ムタ”に出会います。ムタはハルをその街の小さな家「猫の事務所」に案内し、そこで“バロン”という猫の男爵に出会うのです!

ハルが突然、猫の国から現れた集団に連れ去られるのを助けようと追いかけ、ムタとバロンも一緒に猫の国にやってきます。猫の国ではバロンやムタの助けを借りながら、事態を乗り越えて行き、最後には元の世界へ戻ります。ハルは終始助けてくれたバロンの事を、いつしか男性として意識する程に…。

バロンの名前は?

そんな『猫の恩返し』の紳士的なバロンは、猫の事務所の所長を務めている性格も優しく、頼り甲斐のある猫。人間のように二足歩行をし、白のタキシードにステッキを持っている姿はまるで貴族のよう。ムタ曰く“キザ”な猫。

裏設定では、猫の国をも滅ぼしかねないほどの強力で凄まじい能力を秘めているとされているようです。

『耳をすませば』でのバロンは、月島雫が天沢聖司のおじいちゃんが営むお店「地球屋」で出会った“猫男爵人形”でした。

英語で「baron(バロン)」は男爵という意味。バロンの本名は「フンベルト・フォン・ジッキンゲン」。ドイツ系の名前だそう。

ムタの名前は?

もう1匹、『猫の恩返し』で登場するバロンの仲間のブタ猫ムタ。本名はルナルド・ムーン。

ムタは普段、商店街をうろうろしている猫。口が悪くて気難しいけれど、いざという時には頼りになり、ハルを助ける役目も果たしています。どこか憎めないキャラクターです。

しかし実は昔、猫の国で国中の魚を食べ尽くしてそのまま逃げたという伝説の大犯罪猫!その魚を食べる姿が壁画にもなっていることから、みんなが恐れた大きな事件を起こした猫だった事が分かります。

『耳をすませば』では、体が丸いという理由から、天沢聖司が彼にムーンという名前を付けています。月島雫が電車で図書館に向かう際にもこのムーンが登場しています。

あちこちを歩き回る猫として「お玉」「ムタ」など、各地で様々な名前が付けられています。

ムタという名前は、宮崎駿監督がつけたようです。プロレスラーのグレート・ムタが由来という話が…。ムタって響きが、なんだか強そうなイメージですよね。

『猫の恩返し』の声優陣たちもハル役の池脇千鶴さん、バロン役の袴田吉彦さんをはじめ、豪華な顔ぶれ。主題歌であるつじあやのさんの「風になる」も、肩のチカラがフッと抜けるようで聴いていて心地良い♡

猫や猫の名前から、こんな繋がりがあったなんて…新たな発見。猫たちとのやりとりやストーリーの面白さはもちろん、こういった点に注目しながら、改めて『耳をすませば』も観ると、また違った楽しみ方が出来そうですね。